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地震(じしん)は、地球表面の地殻の内部で、固く密着している岩盤同士が、断層と呼ばれる破壊面を境目にして、急激にずれ動くこと。これによって地震動(じしんどう)と呼ばれる大きな地面の振動が引き起こされ、一般的にはこちらも「地震」と呼ぶ。 地質現象(地質活動)の一種。地震に対して、地殻が非常にゆっくりとずれ動く現象を地殻変動と呼ぶ。 地震を対象とした学問を地震学という。地震学は地球物理学の一分野であり、構造地質学とも密接に関わっている。 目次 1 概要 1.1 震源・震央・震源域 1.2 地震波 1.3 本震・前震・余震 1.4 地震の大きさを表現する指標 1.5 地震による災害 1.6 地震の種類 2 メカニズム 3 地震の規模と揺れの指標 3.1 マグニチュード 3.2 震度 4 地震の原因と種類 4.1 プレート間地震 4.2 内陸地殻内地震 4.3 海洋プレート内地震 4.4 火山性地震 4.5 その他 5 地震発生のきっかけ 6 地震の原因論とメカニズム論の展開 6.1 神話 6.2 科学的探究 7 地震動・地震波と揺れ 8 主な地震帯と地震の頻度 8.1 主な活断層・海溝 8.2 地震の周期性 9 地震による被害と対策 9.1 震災 9.1.1 地震による主な被害 9.2 救助と救援・復興 9.3 地震発生後の対策 9.4 地震発生前の対策 10 過去に発生した地震 11 地震予知 12 地球以外での「地震」 13 その他 14 脚注 15 関連項目 16 参考文献 17 外部リンク 編集 概要 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)によって発生した野島断層。地震の震源となった断層のずれが波及して「地表地震断層」として現れたものである。激しい揺れを起こした断層本体(震源断層、起震断層)とは別のものであり、また地下に存在する断層のほとんどは地表から観察できないので、防災上注意しなければならない。 地震計で観測された地震動のグラフ。 地震は、断層と呼ばれる地下の岩盤のずれが生じることで発生する。断層のずれによって生じた振動は、地面を媒質とした波(地震波)となって地中を伝わり、人間が生活している地表でも振動(地震動)が引き起こされる。断層はふつう、地下数km~数十kmの深さにあり、地震によって生じた伸縮の歪みは地下で完結し、地表までは達しないことが多い。しかし、大きな地震の時には地表地震断層とよばれる段差が地表にも現れることがある。 編集 震源・震央・震源域 地下で断層が動いた時、最初に動いた地点(地震波の発生源)を震源と呼び、地上における震源の真上の地点を震央と呼ぶ。テレビや新聞などで一般的に使用される震源図は震央の位置を示している。一度の地震では、震源だけではなく震源の周囲数m~数百kmの地盤でずれが発生する。このずれの範囲を震源域と呼ぶ。 編集 地震波 地震波には、地中を伝わる「実体波」(P波・S波)と、地表を伝わる「表面波」(レイリー波・ラブ波)がある。被害を引き起こすような揺れのもとは主にS波である。P波とS波は伝搬速度が異なるので、これを応用して震央距離を求めることができ、3以上の観測点があれば震源の深さと距離も求めることができる。この式は大森房吉が1899年に発表したので、「震源の大森公式」と呼ばれている。 編集 本震・前震・余震 ある程度の規模を超える地震は、地震活動に時間的・空間的なまとまりがあり、その中で最も規模が大きな地震を本震と呼ぶ。ただし、本震の区別が容易でない地震もあり、断層のずれの程度や前後に起こる地震の経過、断層の過去の活動などを考慮して判断される。他に前震・余震を伴うことがある。本震の前に起こるものが前震、後に起こるものが余震である。被害をもたらすような大地震ではほぼ例外なく余震が発生し、余震により被害が拡大する例も多い。余震の発生する範囲は、震源域とほぼ重なる。また傾向として、規模が大きな地震であるほど、本震の後に起こる余震の回数・規模が大きくなる。この余震の経過を示す法則には、「余震の大森公式」を改良したものがある。 編集 地震の大きさを表現する指標 地震の大きさを表現する指標は主に2つある。マグニチュード (M) は地震が持つエネルギーの量を表す指標で、震度階級(日本では震度)は地表の各地点での揺れ(地震動)の大きさを表す指標である。Mは地震ごとに毎回1つの値が出るが、震度は観測点ごとに出るため毎回多数出る。「震度○の地震」という場合の震度は、その地震により各地で観測されたものの中で最大の震度のことである。 編集 地震による災害 大きな地震はしばしば建造物を破壊して家財を散乱させ、火災、土砂災害などを引き起こす。典型的な自然災害の1つである。気象災害や噴火等と異なり科学的な予報・予知が確立されておらず、前触れもなく突然やってくるので、建造物の強度を増したり震災時の生活物資を備蓄したりすることで「いつ来てもいいように」備えるのが一般的である。また、海域で発生する大規模な地震は津波を発生させ、震源から離れたところにも災害をもたらすことがある。そのため、学術的な研究目的に加えて、津波の発生を速報する目的で、各国の行政機関や大学等によって地震の発生状況が日々監視されている。2004年のスマトラ島沖地震以降は、津波の警報態勢も大きく強化されている。 編集 地震の種類 どの地殻構造で起こるかにより地震は3種類に分けられる(後述)。また、断層のずれる方向や向きなどのパターン、空間的なまとまり、時間的なまとまりからも、地震は特徴付けられる。被害をもたらすような大きな地震の多くは、既に存在する断層が数十万年から数十年に1回の活動周期を迎えた時に発生する、周期的な固有地震であると考えられている(固有地震説)。 編集 メカニズム 地震の発生途中における断層面と地震のメカニズムの模式図。 2: 震央 3: 断層面の走向 4: 断層面の傾斜 5: 震源 6: 断層面のある平面 7: 破壊されている断層面 10: すでに破壊された断層面 8 + 11: 断層面 または 震源域(断層の最大破壊域) 3種類の断層。上:逆断層、中:正断層、下:横ずれ断層。 地震のメカニズム解(発震機構解)の図。地震計の観測結果を基に図に表し、断層の位置や動いた方向を解析する。 地球の内部構造に関しては「地球の構造」を参照 プレートの移動に関する説明はプレートテクトニクスを参照 地震の発生、断層破壊の詳細に関しては「地震発生物理学」を参照 地球の表層はプレートと呼ばれる硬い板のような岩盤でできており、そのプレートは移動し、プレート同士で押し合いを続けている。そのため、プレート内部やプレート間の境界部には、力が加わり歪みが蓄積している。これら岩盤内では、岩盤の密度が低くもろい、温度(粘性)が高い、大きな摩擦力が掛かっているなどの理由で歪みが溜まりやすい部分がある。ここで応力が局所的に高まり、岩体(岩盤)の剪断破壊強度を超えて、断層が生じあるいは既存の断層が動くことが地震であると考えられている。 断層はいわば過去の地震で生じた古傷であり、地殻に対する応力が集中しやすいことから、断層では繰り返し同じような周期(再来間隔)で地震が発生する。断層の大きさは数百mから数千kmまであり、またその断層の再来間隔も数年~数十万年とさまざまである。断層の中でも、数億年~数百万年前まで動いていて現在は動いていないような断層があり、そのようなものは古断層といって地震を起こさない。一方、現在も動いている断層を活断層という[1]。日本だけでも約2,000の活断層がある[2]。ただし、活動の有無を判別するのが難しい断層もあり、古断層といわれていた断層が動いて地震を起こした例もあるため、防災上注意しなければならない。 岩盤内で蓄積される応力は、押し合う力だけではなく、引っ張り合う力や、すれ違う力など様々な向きのものが存在し、それによって断層のずれる方向が変わる。押し合う応力は断層面の上側が盛り上がる逆断層、引っ張り合う応力は断層面の下側が盛り上がる正断層、すれ違う応力はほぼ垂直な断層面の両側が互い違いに動く横ずれ断層を形成する。 地震の始まりは、岩盤内部の一点から破壊が始まり、急激に岩盤がずれて歪みを解放し始めることである。破壊が始まった一点が震源であり、破壊されてずれた部分が断層となる。このずれた部分は、地震波を解析する段階では便宜的に平面(断層面または破壊面と呼ぶ)と仮定し、断層面の向き(走向)や断層面の鉛直方向に対する角度(傾斜)、震源の位置、地震の規模などを推定する。震源断層が曲がったり複数あったりする場合は、後の解析や余震の解析により推定される。 震源で始まった岩盤の破壊範囲は、多くの場合秒速2~3kmで拡大し、破壊された岩盤は、速いときで秒速数mでずれを拡大させていく。 実際の例 1923年の関東地震では、神奈川県小田原直下付近から破壊が始まり、破壊は放射状に伝播して40~50秒で房総半島の端にまで至り、長さ130km、幅70kmの断層面を形成し、小田原市~秦野市の地下と三浦半島の地下で特に大きなずれを生じ、約8秒で7~8mずれた[3]。 1995年の兵庫県南部地震では、明石海峡の地下17kmで始まった破壊は、北東の神戸市の地下から、南西の淡路島中部にまで拡大し、約13秒で長さ40km幅10kmの断層面を形成した。 このようにして破壊が終結すると、一つの地震が終わることになる。この断層面の広さとずれの大きさは、地震の規模と関連している。多くの場合、断層面が広くずれが大きくなれば大地震となり、逆に小さな地震では破壊は小規模である。こうして一つの地震が終結しても、大地震の場合は断層面にはまだ破壊されずに残っていて、歪みをため込んでいる部分がある。それらの岩盤も、余震とよばれるやや小さめの地震によって次第に破壊が進む。これに対して初めの大地震を本震という。本震の前に発生する前震もあり、そのメカニズムについては本震を誘発するものだという説、本震に先駆けて起こる小規模な破壊だという説などがあるが、はっきりと解明されていない。 本震の後に余震が多数発生する「本震 - 余震型」や、それに加えて前震も発生する「前震 - 本震 - 余震型」の場合は、応力が一気に増加することで発生すると考えられている。一方で群発地震の場合は、応力が比較的緩やかなスピードで増加することで地震が多数発生すると考えられている[4]。 編集 地震の規模と揺れの指標 編集 マグニチュード 詳細は「マグニチュード」を参照 ふつう、地震の規模を表す指標としては、エネルギー量を示すマグニチュードを用い、「M」と表記する。マグニチュードには算定方法によっていくつかの種類があり、地震学では各種のマグニチュードを区別するために「M」に続けて区別の記号を付ける。地震学ではモーメントマグニチュード(Mw)が広く使われる。日本では気象庁マグニチュード(Mj)が広く使われる。 他にもそれぞれの観測機関によって使用されるマグニチュードのタイプが異なる場合もあるが、その値は差異ができるだけ小さくなるように定められている。これらは最初にマグニチュードを定義したチャールズ・リヒターのものの改良版であり、基本的に地震動の最大振幅を基礎とする。モーメントマグニチュードを除き、いずれのタイプも8.5程度以上の巨大地震や超巨大地震ではその値が頭打ちになる傾向を持つ。 この弱点を改善するために、地震学では地震モーメントから算出されるモーメントマグニチュード(Mw)が地震の規模を表す指標として用いられることが多く、これを単に「M」と表記することも多い(アメリカ地質調査所(USGS)など)。 日本では、気象庁が独自の定義による気象庁マグニチュード(Mj)を発表しており、日本ではこれを単に「M」と表記することも多い。これに対し、多くの国では表面波マグニチュード(Ms)や実体波マグニチュード(Mb)のことを、単にマグニチュードと呼ぶことが多い。Mが1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなるとちょうど1000倍となる。 人類の観測史上最も大きな地震、つまりマグニチュードが最も大きかったのは、1960年のチリ地震(Mw9.5、Ms8.5)である。 編集 震度 詳細は「震度」を参照 地震動の大きさを表す数値として、速度や加速度、変位などがある。建築物や土木構造物の耐震設計の分野では応答スペクトルやSI値という指標も、地震動の大きさを表す方法として広く用いられている。一般的には、被害の大きさなどを考慮して、地震動の大きさを客観的に段階付けた震度という指標が用いられる。 震度については、日本では気象庁震度階級(通称「震度」)、アメリカ合衆国では改正メルカリ震度階級、ヨーロッパではヨーロッパ震度階級(EMS)、CIS諸国やイスラエル、インドなどではMSK震度階級が現在使用されているほか、ほかにもいくつかの指標がある。 地震の規模が大きいほど震度は大きくなる傾向にあるが、震源域からの距離や断層のずれの方向、断層の破壊伝播速度、地盤の構造や性質、地震波の特性などによって地上の揺れは大きく異なる。一般的に、堆積平野(沖積平野など)では揺れが増幅される。また、俗に「キラーパルス」とも呼ばれる周期が0.5秒~2秒程度の地震波が大きな振幅で継続すると、一般家屋を含む低層建築物の被害が大きくなる傾向にある。 編集 地震の原因と種類 4種類の地震の発生場所。茶色系統が大陸系、紫色系統が海洋系で、いずれも薄い色の方がプレート、濃い色の方が地殻。 「プレートテクトニクス」も参照 通常の地震は、既存の断層が動くこと、あるいは新たに断層が生じることが原因で起こる。地震の際に動く断層は1つとは限らず、大きな地震では震源に近い別の断層(共役断層)が同時に動くこともある。火山活動に伴う地震を火山性地震と呼ぶが、これには断層と関係が無いものも多く、通常の地震とは分けて考えることが多い。 地震を地下構造とプレートテクトニクスの観点から見た場合、大きく3種類に分けられる[5]。呼び方はそれぞれ複数ある。 1.プレート同士の境界部分で発生する地震(プレート間地震、プレート境界型地震、海溝型地震) さらに「海溝型地震・衝突型境界で起こる地震・発散型境界で起こる地震・トランスフォーム断層で起こる地震」の4つに細分される。 2.大陸プレートの内部や表層部で発生する地震(内陸地殻内地震、大陸プレート内地震、断層型地震) 3. 海洋プレートで発生する地震(海洋プレート内地震、スラブ内地震、プレート内地震) さらに「沈み込む海洋プレート内地震」、沈み込んだ海洋プレート内地震(深発地震)」の2つに細分される。 プレート間地震の対軸として、内陸地殻内地震と海洋プレート内地震をあわせてプレート内地震という1つの大カテゴリーに当てはめることもある。また、火山性地震を含めて4種類とする場合もある。 火山性地震 火山体周辺における断層破壊によって生じP波とS波が明瞭なA型地震、P波とS波が不明瞭で紡錘型の波形を生じるB型地震に大別される。 人工的な発破の振動などにより発生する人工地震も存在する。これに対して、自然に発生する地震を自然地震と呼ぶことがある。 地震を防災上の観点から分類した場合、直下型地震(内陸地震)、海洋型地震などに分けられる。直下型地震のうち、南関東直下地震などの都市直下型地震は防災上特に重要視されている。 また、地震動が小さい割に大きな津波が起こる地震を津波地震という(例:1896年の明治三陸地震 M8.2、最大震度2~3[6])。深発地震は深さによる分類、群発地震は地震の継続パターンによる分類である。 逆断層型、正断層型、横ずれ断層型といった分類は、断層型地震(内陸地殻内地震)にのみ適用される考え方ではなく、ほとんどすべての地震に適用される[7]。これは、地震の際にずれ動く面は上記の分類に関係なく「断層」と呼ぶためである。海溝型地震は逆断層型、海嶺などで起こる地震は正断層型が多い。内陸地殻内地震は地下の応力場によってさまざまなタイプがみられる。 編集 プレート間地震 2つ以上のプレートが接する場所では、プレート同士のせめぎ合いによって地震が発生する。このようなタイプの地震をプレート間地震あるいはプレート境界型地震と呼ぶ。海溝で起こるものが多いため海溝型地震とも呼ばれるが、後述の通り海溝で起こらないものも多数ある。 プレート同士の境界は、収束型(海溝と衝突型境界に細分される)、発散型、すれ違い型(トランスフォーム断層)の3種類に分けられる。発散型やすれ違い型は、地震が起こる範囲がプレート境界の周辺だけに限られ、震源の深さもあまり深くない。一方、収束型のうち海溝はしばしば規模の大きな地震を発生させ、衝突型は地震が起こる範囲が広く震源が深いことも多い。 海溝型地震 海溝やトラフでは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、両者の境界が応力により歪みを受け、ばねのように弾性力を蓄え、やがてそれが跳ね返る時に地震が起こると考えられている。これは海溝型地震と呼ばれているが、1923年の関東地震や想定される南関東直下地震のように、海溝から離れた深いところにまで震源域は広がっている。跳ね返りで発生するといっても、実際は2つの地盤の面がずれる断層運動によって起こるものである。 海溝型地震は、海溝よりも大陸プレート寄りの部分で発生する。1つの細長い海溝の中では、いくつかの領域に分かれて別々に大地震が発生する。地震の規模はM7~8と大きく、稀に複数の領域が同時に動いてM9を超える超巨大地震が発生することもある。1つの領域では、およそ数十~数百年ほどの周期で大地震が繰り返し発生する。規模が大きい海溝型地震が海洋の下で発生した場合、津波が発生することがある。震源断層は海洋プレートと大陸プレートの境界そのものである。震源域が広く規模が大きいため、被害が広範囲にわたることがある。 発生しやすい場所は、チリ、ペルー、メキシコ、アメリカのアラスカ、アリューシャン列島や千島列島、日本、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島、フィジー、トンガ、ニュージーランドなどの沖合いや海岸付近である。いずれも沿岸に海溝があり、大きな海溝型地震が発生する。 例として、2004年のジャワ海溝におけるスマトラ島沖地震や日本付近では2003年9月に発生した千島海溝における十勝沖地震(Mw8.3、最大震度6弱)や2011年3月に発生した三陸沖の日本海溝における東北地方太平洋沖地震(Mw9.0、最大震度7)、また近い将来の発生が指摘されている駿河トラフにおける東海地震が例として挙げられ、東南海・南海沖の南海トラフ、宮城県沖の日本海溝、根室沖の千島海溝などでも発生する。関東大震災の原因となった関東地震(M7.9)も相模トラフがずれ動いた地震であり、海溝型地震に含まれる。 衝突型境界で起こる地震 衝突型境界では、プレート同士が激しく衝突し合い、境界部分では強い圧縮の力が働いて地震が発生する。強い力によってプレートが砕け、その破片同士がずれたり、付加体がずれたりして地震が起こる。 大陸プレート同士が押し合い衝突しているヒマラヤ山脈・パミール高原・チベット高原や日本海東縁部などが主な発生地である。 日本付近での例は、日本海東縁変動帯域を震源とする地震で、1983年5月の日本海中部地震(M7.7、最大震度5)、1993年7月の北海道南西沖地震(M7.8、最大震度6)などが例である。 発散型境界で起こる地震 発散型境界でも、マグマの上昇やプレートの軋みなどによって地震が発生する。主に、海洋中央部の海嶺で発生し、地震の規模はそれほど大きくない。 東太平洋海嶺、オーストラリア南極海嶺、中央インド洋海嶺、南西インド洋海嶺、大西洋中央海嶺など各地の海嶺で地震が発生する。アイスランドやアフリカの大地溝帯では、陸上にある海嶺(地溝)の影響で正断層型の地震が発生する。 すれ違い型境界(トランスフォーム断層)で起こる地震 トランスフォーム断層では、プレートのすれ違いによって地震が発生する。断層のタイプは横ずれ断層型となる。 主な発生地には、トルコの北アナトリア断層やアメリカ西海岸のサンアンドレアス断層などがある。 発生例としては、1906年4月のサンフランシスコ地震(M7.8)などが挙げられる。 編集 内陸地殻内地震 詳細は「断層」を参照 海洋プレートが沈み込んでいる大陸プレートの端の部分では、海溝から数百km離れた部分まで含む広い範囲に海洋プレートの押す力が及ぶ。その力はプレートの内部や表層部にも現れるため、プレートの表層部ではあちこちでひび割れができる。このひび割れが断層である。 周囲から押されている断層では、押された力を上下に逃がす形で山が高く、谷が深くなるように岩盤が動く(逆断層)。また、大陸プレートの一部分では、火山活動によってマグマがプレート内を上昇し、プレートを押し広げているような部分がある。また、周囲から引っ張られている断層でも、引っ張られた力を上下に逃がす形で山が高く、谷が深くなるように岩盤が動く(正断層)。また、押される断層・引っ張られる断層であっても、場所によっては断層が水平にずれ、岩盤が上下に動かないこともある(横ずれ断層)。多くの断層は、正断層型・逆断層型のずれ方と、横ずれ断層型のずれ方のどちらかがメインとなり、もう一方のずれ方も多少合わさった形となる。 このようなタイプの地震を内陸地殻内地震あるいは大陸プレート内地震と呼ぶ。伊豆半島やニュージーランドなどは海洋プレート上に位置しているが、これらの場所で起こる内陸地殻内の地震もこのタイプの地震として扱われることがある。このタイプの地震では地表に断層が出現しやすいため、断層型地震、活断層型地震などとも呼ぶが、プレート間・大陸プレート内・海洋プレート内地震は全て断層で発生することに注意する必要がある。内陸の断層は都市の直下や周辺にあることも少なくなく、直下型地震とも呼ぶが、関東地震のように陸地の直下を震源とする海溝型地震もあるため、それと区別する意味で「陸域の浅い場所を震源とする地震」のような言い方もされる。 地震の規模は活断層の大きさによるが、多くの断層はM6~7、大きいものではM8に達する。海溝型地震と同じように、長い断層はいくつかの領域に分かれ、別々に活動する。同一の活断層での大きな地震の発生は、数百年から数十万年に1回の頻度とされている。都市の直下で発生すると甚大な被害をもたらすことがあるが、大きな揺れに見舞われる範囲は海溝型地震と比べると狭い領域に限られる。 1976年7月の唐山地震(M7.8)、1995年1月の兵庫県南部地震(M7.3、最大震度7)や2000年10月の鳥取県西部地震(M7.3、最大震度6強)、2004年10月の新潟県中越地震(M6.8、最大震度7)や2007年3月の能登半島地震(M6.9、最大震度6強)、新しいものでは2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(M7.2、最大震度6強)や2010年1月のハイチ地震(Mw7.0)などが該当する。 アメリカ西海岸、ニュージーランド、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、アフガニスタン、イラン、トルコ、ギリシャ、イタリア、スイスなどに活断層が密集しており、大きな断層型地震が頻発する。 このタイプの地震はしばしば甚大な被害をもたらすため、将来の地震発生予測を目的に、1980年以後日本全土の活断層が調査され、危険な断層を順次評価している。兵庫県南部地震の前に公表された活断層の地図には他の大断層類と同時に「危ない断層」として有馬・高槻・六甲断層帯が危険と表示されていた。この調査作業は2009年現在も継続して続けられている。 一方、ヨーロッパ中部・北部、アメリカ中部、オーストラリアなどには、過去の造山運動に伴ってできた断層があるが、その中には現在も動いている活断層がある。このような断層は、時々動いて最大でM4~5程度の地震を起こし、稀に被害が出ることもある。また、そのような地域でもニューマドリッド断層帯のように活断層が存在し、頻繁に活動している場合がある。 編集 海洋プレート内地震 沈み込みの運動をしている海洋プレートでも地震が発生する。このようなタイプの地震を海洋プレート内地震あるいはプレート内地震と呼ぶ。単にプレート内地震と呼ぶときはほとんどの場合このタイプを指し、大陸プレート内地震は含まれない。 沈み込んだ海洋プレート内で起こる地震 海溝を経て大陸プレートの下にもぐりこんだ海洋プレートは、マントルの中を沈み込んでいる途中で割れたり、地下深部でスタグナントスラブとなって大きく反り返って割れたりして、地震を発生させることがある。海洋プレートが沈み込んだ部分であるスラブ(板=プレート)の中で発生するので、スラブ内地震と呼ばれる。震源が深いことから深発地震とも呼ばれる。 一般に震源が深く、したがって震源と震央の距離は長い場合が多いにもかかわらず、規模が大きなものは被害としては侮れない。また深い分、広範で最大震度に近い揺れに見舞われることにもなる。地震波の伝わりやすさは、プレートの位置関係やマントルの深さなどでそれぞれ異なるため、震源から離れた場所で揺れが大きくなる異常震域が発生しやすいのも特徴である。 20世紀末以降の例では、1987年12月の千葉県東方沖地震(M6.7、深さ50km、最大震度5)、1992年2月の浦賀水道の地震(M5.7、深さ92km、最大震度5)、1993年1月の釧路沖地震(M7.5、深さ101km、最大震度6)や2003年5月の宮城県沖の地震(M7.0、深さ71km、最大震度6弱)のような被害事例が見られる(注:2003年9月17日に気象庁はマグニチュード算出方法が改訂し、これにより過去の地震も修正された。ここではそのマグニチュードを用いている)。 福島県沖や茨城県沖で頻繁に発生する地震のほか、2001年3月の芸予地震もこのタイプである。 これから沈み込む海洋プレート内で起こる地震 海洋プレートが陸地側に潜り込んだひずみを解消するため陸地側プレートが反発した時に、プレート境界型地震が起こる。ひずみはこれから沈み込む海洋プレート側にもたまっており、海底が隆起している場合がある(アウターライズ・海溝上縁隆起帯)。このひずみはプレート境界型地震の発生によって解消されるとは限らず、プレート境界型地震の前後などに、解消されなかったひずみによってずれや割れが生じ、地震を発生させることがある。こちらもスラブ内地震と呼ぶ場合やアウターライズ地震と呼称する場合もある。 一般に反り返った先のもっとも高い(浅い)場所が張力を受けて破壊される正断層型の地震が多い。これとは逆に震源が深い場合は圧力が働き逆断層型となる。遠方の海域で発生するため、陸地において地震の揺れそのものによる被害は少ないことがほとんどであるが、1933年3月の昭和三陸地震や2007年1月の千島列島沖の地震のようにM8を超える地震がしばしば発生し、海溝型地震に匹敵する津波災害を引き起こすことがある。また、大きなプレート境界型地震の後に発生する場合もあり警戒を要する。 編集 火山性地震 海溝の周辺の火山弧、ホットスポット、海嶺、ホットプリュームの噴出地域では、マグマの移動や熱せられた水蒸気の圧力、火山活動に伴う地面の隆起や沈降が原因となって地震が発生する。これらの地震を火山性地震という。火山性地震は断層の動きだけでは説明できない部分があるので、上記の3分類とは分けて考えることが多い。地震動も上記の地震とは異なる場合がある。 火山性地震は地震動の性質から2つのタイプに分けられる。P波とS波が明瞭で、一般的な断層破壊による地震と大差がないA型地震、および紡錘型の波形を持つB型地震である。B型地震はさらに周期の違いによってBL型地震とBH型地震に分けられる。広義では火山性微動も地震に含む。 また、火道の圧縮やマグマの爆発・爆縮によって、一般的な断層破壊では見られない特殊な発震機構(メカニズム)を持つ地震も起こりうる。 編集 その他 誘発地震 人為的な原因によって引き起こされる地震。 大質量の移動による誘発 超高層建築物・ダムの建設や地面の掘削・造成、石炭・石油や天然ガスなどの採掘が地下構造を変え、地震を誘発することがある。1940年にアメリカフーバーダムで起きたM5の地震や、1967年12月10日にインドのマハラシュトラ州西部で起きたM6.3の地震は、貯水池の建設や貯まった水の水圧によって誘発されたものだった。 電流による誘発 地中に電流を流すことで地震が誘発されると言う実験結果がある。ソビエト連邦がキルギスの天山山脈で、2.8kAの電流を百回以上地下に流し込む実験を行ったところ、約2日後から地震が増え、数日のうちに収まるという現象が起こった[8]。 流体注入による誘発 水分やガスといった流体が地中に注入されることで地震が誘発されることがある。ロッキー山脈のアメリカ軍の兵器工場で、1962年3月から深さ3670メートルの地下に放射性の廃水を廃棄し始めたところ、1882年以来80年間も地震が全くなかった場所に地震が発生し始めた。また、注入量や圧力に比例するように地震の数が増減した[9]。また、2007年12月にスイスのバーゼルで地熱発電に利用する蒸気を発生させるために地下5000メートルの花崗岩層に熱水を注入したところ、最大M3.4の地震が2度発生した。この地域では以前から有感地震が発生していた[10]。同様に、鉱山内のガス流体の地震の誘発作用も示唆されている[11]。また自然界でも、同様の現象が発生している(後述)。 地震以外の発振現象 地震とは異なり、断層のずれを伴わずに地表に揺れを引き起こす発振現象。 氷震 氷河の運動によって、自然地震に似た発振現象(氷震)が発生している[12]。 人工震源 詳細は「人工地震」を参照 主に爆弾の爆発などがある。土木工事などに使われる発破は地震波を発生させるが、「P波に比べてS波が小さい」、「表面波が卓越する」、「すべての観測点で押し波となる」などの特徴があり、自然地震との判別は可能である。核爆発によるは代表的な人工震源のひとつであり、1961年10月30日にロシアのノヴァヤゼムリャで行われた核実験(ツァーリ・ボンバ参照)では、M7に相当する要出典揺れが発生した。 編集 地震発生のきっかけ 地震発生までのメカニズムは徐々に明らかになっているが、地盤や岩盤に溜まった応力の解放を促している引き金が何であるかはほとんどが謎のままになっていて、はっきりとした特定はなされておらず、様々な説が展開されている。この引き金に関しては、相関性の比較により統計学的に相関を見出すことは可能であるが、それが因果関係であるかを同定するのは地震学的な研究に頼るもので、分野が少し異なる。 水分の流入 兵庫県南部地震がフィリピン海プレートから生じた水によって誘発されたという説がある[13]。また東北大学によれば、新潟中越沖地震や[14]、岩手・宮城内陸地震など複数の地震は断層直下のマグマが冷えたことで発生した水分が潤滑油の役割を果たし地震を発生させたとしている[15][16]。7つの火山島からなるアゾレス諸島では、雨が降ると2日後に小さな地震が起こったり[9]、鉱山の水没域では、雨水が流れ込み地震が誘発されることがあったりする[17]。 潮汐力 太陽や月との潮汐が発生の引き金になるとの指摘もある。満月と新月時に強まった潮汐力が地震を誘発する可能性が指摘されており[18][19]、防災科学技術研究所は、スマトラ島沖では2004年の地震の8年前から潮汐力が強まった時間帯に地震が集中していたため、歪みが溜まっている地域では潮汐力が地震の引き金になっている可能性が高いとしている[20]。 地震 遠く離れた場所で発生した地震が時間をおいて別の地震を誘発する可能性が指摘されている[21]。 編集 地震の原因論とメカニズム論の展開 編集 神話 日本では古来より「地中深くに大ナマズが存在し、その大ナマズが暴れることにより大地震が起きる」という俗説が信じられていた。その為なのか、一部の人々には今でもナマズが暴れると大地震が来ると信じられている。だが、ナマズが地震を予知できる根拠は見つかっていない。江戸時代には安政の大地震を期に鯰絵と呼ばれる錦絵が流行するなど、日本人にとって地震とナマズが身近な関係にあったことが伺える。また、鹿島神宮にはこの大ナマズを抑えるという要石があり、地震の守り神として信仰されている。地震避けの呪歌に、万葉集の歌を使った「ゆるぐともよもや抜けじの要石鹿島の神のあらむ限りは」(要石は動きはしても、まさか抜ける事はないだろう、武甕槌神がいる限りは)というものがある。 北海道のアイヌ民族には、「地下には巨大なアメマスが住んでいる。これが暴れて地震が起きる」という、日本とよく似た伝承があった。そこで地震が発生すれば、地震鎮めの呪いとして囲炉裏の灰に小刀や火箸を刺し、アメマスを押さえつけるまねごとをした。 中国では古来から、陰陽説の考え方を背景にして、地震とは陰の性質を持った大地から陽の性質を持った大気が出てくるときに起こるものという説明があった。また福建省では、地震を起こすのはネズミであると言う神話上の伝承が存在する。 北欧神話においては地底に幽閉されたロキが、頭上から降り注ぐ蛇の毒液を浴びたときに震えて地震が起きるとされている(詳細はロキを参照のこと)。ギリシア神話ではポセイドンが地震の神とされた。 編集 科学的探究 古代ギリシアでは、自然哲学者アナクシメネスが土が大地の窪みにずり落ちることが原因だと考えた。アナクサゴラスは地下で激しく水が流れ落ちることを原因と考えた。その後、アリストテレスは四元素説を基に、地震は地中から蒸気のようなプネウマ(気、空気)が噴出することで起こると説明した。これらを受けて、セネカは地下での蒸気の噴出によって空洞ができ、そこの地面が陥没するときに地震が起こるという説を立てた。時は変わって、アラビアではイブン=スィーナーが、地面が隆起することが原因だとする考えを示した。 18世紀には、リスボン地震をきっかけにジョン・ミッチェルが地震の研究を行い、火山の影響で地中の水蒸気が変化を起こすことが原因という説を発表した。 19世紀末には、お雇い外国人として日本にいたジョン・ミルンやジェームス・アルフレッド・ユーイングが地震を体験したことがきっかけとなり、日本地震学会が設立され、地震計の開発や地震の研究が進み始めた。地震の波形から震源を推定する方法が発見されたり、アンドリア・モホロビチッチがモホロビチッチ不連続面を発見して地球の内部構造の解明の足がかりとなったりした。ミルンは、イギリスで地震の研究を進めて同国に近代地震学が確立された。現在イギリスには世界中の地震の観測情報を集積している国際地震センター (ISC) が設置されている。 また20世紀に入って、リチャード・ディクソン・オールダムが地球の核(コア)を発見、ベノー・グーテンベルグがグーテンベルク不連続面を発見するなどし、地球物理学が次第に進展するとともに、アルフレート・ヴェーゲナーの大陸移動説から発展したマントル対流説や海洋底拡大説がプレートテクトニクスにまとめられ、地震の原因として断層地震説と弾性反発説が定着した。 ただ、断層地震説と弾性反発説によって一度否定された岩漿貫入などは、2説を補完する説として考える学者もいる。また、地球空洞説に原因を求めるなど、これらとはまったく異なる説を展開する学者や思想も、少数ながら存在している。 編集 地震動・地震波と揺れ 地震の波形。黒:東西動成分、青:南北動成分、赤:上下動成分。 P波とS波の伝わり方を示したアニメーション 地表では、P波による揺れが始まってからS波が到達するまでは、初期微動と呼ばれる比較的小さい揺れに見舞われる。その後、S波が到達した後は主要動と呼ばれる比較的大きい揺れとなる。ほとんどの場合、S波のほうが揺れが大きくなるとされるが、揺れの大きいP波によって被害が出ることもあるほか、震源が近くにある場合はP波とS波がほぼ同時に到達することもある。また震源から近い場所では、P波が到達する前後にレイリー波も到達し、同じく揺れを引き起こす。S波は液体中を伝播しないため、海上の船などでは、P波のみによって発生する海震と呼ばれる揺れに見舞われる。 被害を引き起こすような揺れのもとは主にS波だが、レイリー波、ラブ波、P波も振幅や周期によっては被害を引き起こすような揺れとなる。地震波/地震動の周期が、被害を受ける構造物(あるいは構造物の固有振動)と関係していることは、地震工学や建築工学においては重要であり広く知られているが、一般的な知識としてはあまり浸透していない。構造計算においては、さまざまな固有振動周期や減衰定数をもつ構造物の応答スペクトルを解析して、地震動に対する構造物の特性をみる。 例えば、日本家屋のような木造住宅は周期1秒前後の短周期地震動が固有振動周期にあたるため、周期1秒前後の地震動によって共振が発生し非常に強く建物が揺さぶられ、壊れやすく被害が拡大しやすい。一方、高層建築物は周期5秒以上の長周期地震動が固有振動であり、地震波が堆積平野を伝わる過程で発生しやすい長周期地震動によって、平野部の高層建築物の高層階では大きな被害が発生する。このほかに、M9を超えるような巨大地震の際に観測される、超長周期地震動または地球の自由振動と呼ばれる周期数百秒以上の地震動がある。この超長周期地震動の中には地球の固有振動周期に当たる地震動もあり、地球全体が非常に長い周期で揺れることもある。 地下の構造、特に地面に近い表層地盤の構造や地下のプレートの構造によって、地震動全般に対する揺れやすさ、揺れやすい周期、あるいは地震波の伝わり方が異なる。そのため地震の際、震度が震央からの距離に完全に比例して、きれいに同心円状に分布することはほぼない。稀に震央と異なる地域で揺れが最も大きくなることがあり、異常震域と呼ばれる。 また、多くの地震計は周期0.2~0.3秒前後の地震動を感知しやすいため、周期0.2~0.3秒で大きく周期1秒で小さい地震では震度に比べて被害が軽かったり、逆に、周期0.2~0.3秒で小さく周期1秒で大きい地震では震度に比べて被害が甚大だったりといったことが起こる。ただし、これには地震計の設置場所と地下構造の問題もあるとされる[2]。 地震の揺れの速度を表す単位として、カイン(=センチメートル毎秒)がある。また、地震の揺れによる加速度を表す単位として、ガル(センチメートル毎秒毎秒)がある。1秒間に1カインの加速度が1ガルである。 地震動や地震波は地震計により観測される。揺れの周期や感度、振幅などにあわせてさまざまな種類のものがある。震度を算出したり、観測データを集めて震源の位置や規模などを推定したりする。 編集 主な地震帯と地震の頻度 1963年から1998年に発生した地震の分布図。地震の震央の分布にはっきりしたパターンがある。 主な地震の震源を地図にして地球の表面を概観すると、プレートテクトニクスの考え方でいう環太平洋造山帯やアルプス・ヒマラヤ造山帯の周辺は地震が特に多い地域があることが分かる。前述の2つの造山帯も含めた新期造山帯で最も地震が多く世界の地震活動の大部分を占める。このほか、ヨーロッパ西部やアジア北部などの古期造山帯でも比較的多く地震が発生する。 これらの地域は造山帯または地震帯(火山に着目した場合火山帯とも呼ぶ)と呼ばれ、地殻や地面の活動(移動)が活発で、地震も活発である。しかし、この地図はあくまで一定期間に発生した地震を集計したものであり、「地震の起こりやすさ」を表したものである。この地図で地震が少ない地域でも、絶対に地震が発生しないわけではない。 地震による(人間への)被害が大きくなる地域は、地震の多い地域とは異なる。周囲の断層の多さ、地盤の揺れやすさ、人口密度の大小、建造物の強度などによって被害が異なるためである。大地震が起きても人のあまり住んでいない所で起きれば被害も少ないが(鳥取県西部地震など)、大都市や町の近く(約50km以内)で起きれば大きな被害が出るおそれがある[22]。また、地震が発生する時間や時期などによっても被害は異なる。 世界の年間平均地震発生回数 マグニチュード 回数 8.0~ 1 注1 7.0~7.9 17 注2 6.0~6.9 134 注2 5.0~5.9 1,319 注2 4.0~4.9 13,000 注3 3.0~3.9 130,000 注3 2.0~2.9 1,300,000 注3 USGSの資料による。 注1:1900年以降の平均。 注2:1990年以降の平均。 注3:推定。 世界では、1年間にM5以上の地震が平均約1,500回、M2以上の地震が平均145万回発生している。数の上では、世界で発生する地震の1割程度が日本付近で発生しているといわれ、また1996年から2005年の期間では世界で発生したM6以上の地震の2割が日本で発生しているとの統計があり[3]、客観的に見ても日本は地震の多い国と考えられる。 地震の発生の頻度が過去と比べて増加したかどうかということは、局地的に見ることはできても、全世界的に見ることは現状では難しい。地震の発生数のデータは、地震計の精度の向上や観測点のネットワークの状況などに左右される。世界的に見ても目が細かい日本の高感度地震観測網でも1990年代後半以降のデータであり、世界を見ても微小地震・極微小地震を捉えられるような観測網は少なく、海底となればその傾向は顕著である。 編集 主な活断層・海溝 防災上、地震を引き起こす可能性の高い活断層の存在は注目される。日本では主要な数百の活断層の位置と再来間隔や規模などが調査・発表されている。活断層と同様に活褶曲も地震を発生させうるほか、活断層が無い地域に新たに断層が発生する可能性も否定できない。そのため、活断層の調査を中心とした地震防災に対する批判も存在している。 地球上の活断層(地溝・海溝などを含む)のうち、主なものを挙げる。これらは周期的に大地震を発生させると考えられている。このほか、地震活動が活発で多くの活断層を擁する歪集中帯と呼ばれる地域がある。 断層 詳細は「断層#代表的な活断層の例」を参照 糸魚川静岡構造線(日本、本州中部) 中央構造線(日本西部 ※活断層部分のみ) アルペン断層(en)(ニュージーランド南島) カラヴェラス断層(en)(アメリカ、サンフランシスコ・ベイエリア) ヘイワード断層帯(en)(アメリカ、サンフランシスコ湾東岸) サンアンドレアス断層(アメリカ、カリフォルニア州)…1906年サンフランシスコ地震 ニューマドリッド断層帯(アメリカ中部 ※古期造山帯) グレートグレン断層(en)(グレートブリテン島、スコットランド ※古期造山帯) アナトリア断層帯(トルコ北部)…1719年・1999年イズミット地震 スマトラ断層(インドネシア、スマトラ島) 海溝・沈み込み帯 詳細は「海溝#主な海溝」を参照 カスケード沈み込み帯(en)(北アメリカ西海岸沖) 千島海溝(千島列島南岸)2006年・2007年千島列島沖地震 日本海溝(北海道・東北・関東沿岸)1952年・1968年・2003年十勝沖地震、1896年・1933年三陸沖地震、1936年・1978年宮城県沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震 相模トラフ(相模湾沖)1703年元禄大地震・1923年関東地震 駿河トラフ(駿河湾沖)1854年東海地震 南海トラフ(紀伊半島・四国沖)…1854年・1946年南海地震、1854年・1944年東南海地震 スンダ海溝(ミャンマー沖~スマトラ島南岸)…2004年・2005年・2007年スマトラ島沖地震 ジャワ海溝(ジャワ島南岸)…2006年ジャワ島沖地震 中央アメリカ海溝(Middle America Trench)(中央アメリカ西岸)…1985年メキシコ地震 ペルー海溝(ペルー沿岸)…2001年・2007年ペルー地震 チリ海溝(チリ西岸)…1960年・2010年チリ地震 ケルマデック海溝(ケルマデック諸島東岸) 編集 地震の周期性 プレートや地表の動きが数百年程度の間、長期的に見て一定であれば、それぞれのプレートの境界や断層で起こる地震は一定の周期で起こると考えられており、ひずみの蓄積と解放というサイクルを繰り返す。実際に、プレートの境界で起こる南海地震、東南海地震、東海地震、宮城県沖地震などでは周期性があるとされているほか、北アナトリア断層の諸地震などでも周期性が確認されている。 周期性のある地震は、一般的に固有地震といい、現在のところマグニチュード4程度以上、再来周期数年以上の地震で発見されている。過去数十年の地震であれば観測記録から分かるが、古い地震については津波堆積物の分析をしたり、古い文献を参考にしたりして推定している。 プレートの境界においては50年~300年[23]、断層においては数百年~数十万年と、地震の周期はそれぞれ異なる。そのため、周囲のプレートの境界や断層でのひずみの影響を受け、それぞれのサイクルで、ひずみのかかり具合が毎回異なり、地震の周期が多少ずれることも考えられる。このずれの推定は、現在の長期的地震予知における大きな課題の1つとなっている。 1つの周期をもって繰り返し起こる一連の地震の活動のなかには、大きく分けて、ひずみの蓄積、前駆的地震活動、静穏化(空白域の形成もその一種)、前震、本震、余震などがある。このサイクルには規則性があると考えられており、観測によって現在どのような活動に当たる時期かを知ることで、地震予知に役立てようという動きがある。 専門家の中には、1995年の阪神大震災などを例として、「西日本(西南日本)は地震の"活動期"に入っているのではないか」と推測している者もいる。これは、過去の資料から西日本で周期的に発生している南海地震や東南海地震の前後で西日本の地震活動に変化があり、現在そのパターンのうち"活動期"にあるとするものである(西日本地震活動期説参照)。ただ、判断するための資料が少ないと指摘する声もあり、これを否定する専門家もいる。 編集 地震による被害と対策 阪神・淡路大震災により傾いたビル。この後完全に倒壊した。 地震により激しく揺さぶられ散乱した食器類。1968年ニュージーランドにて 阪神・淡路大震災時の消火活動 スマトラ島沖地震の津波により家を失った人たちのスラム街。2005年インド・チェンナイにて 新潟県中越地震で被害を受けた道路と橋、地震後 新潟県中越地震で被害を受けた道路と橋、復旧後 日本の地震対策については「日本における地震対策と体制」を参照 編集 震災 詳細は「震災」を参照 大規模な地震が発生した場合、その災害を震災(しんさい)と呼ぶ。特に激甚な震災は大震災と呼んで、地震とは別に固有の名称が付けられることがある。例えば関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災などである。しかし「関東大震災」の命名者は不明、「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」は報道機関が使用し始めたものを基に閣議で決められたもので、「震災名」を付ける制度は作られていない(地震名は気象庁が命名する)。新潟県中越地震では、新潟県が独自に「新潟県中越大震災」という呼称をつけている。 編集 地震による主な被害 建造物への被害。 揺れによりまず柱・梁・壁・基礎等のひび割れが生じ、地震耐力(耐震強度)が低下すると自重とさらなる揺れによって損壊、倒壊・崩壊に至る。致命的な被害がない場合でも、強度が低下して地震や荷重に弱くなることがある。余震の多発により、本震から時間が経ってからも被害が拡大する例が多い。また、窓や扉等の建具が破損・変形・飛散する。さらに、家具や置物も転倒・飛散する。 火災の発生。停電復旧時の通電火災。強風を伴った場合の火災旋風。 地盤への被害。 地震動によって、地割れや地盤の緩みが起こるほか、傾斜地や傾斜した地層、崖などではずれや凹凸が生じる。斜面ではがけ崩れ、地滑りが発生する。沖積地の砂質地盤では液状化現象や側方流動が発生することがある。河川ではがけ崩れや地滑りにより河道閉塞(せき止め湖・天然ダム)が生じ、時間をおいて土石流を発生させる。寒冷地では雪崩も発生する。 津波の被害。 家屋や建造物の流失、人的被害、滞留した水やゴミによる衛生環境の悪化、漁場や港湾への被害など。 ライフラインへの被害。 道路・橋や鉄道などの交通網、水道、ガス管、送電線、電話線・通信系統などが損傷し、あるいは発電所・変電所などが操業停止して遮断される。主に山間部・離島や沿岸部で集落が孤立することがある一方、都市部では公共交通機関の麻痺による大量の帰宅困難者が発生する。 通信への被害・情報の混乱 通信施設の被害や、安否を確認する通信の殺到によって回線がパンクし、なかなか通話できなくなる。これにより情報源が乏しくなり、災害に関する情報や生活に必要な情報が入手しづらくなったり、デマや流言が広まりやすくなる。また他方では、地震による被害の過大報道・誤報や誤った認識などによる風評被害が発生する場合もある。 物資の不足や生活環境への被害。 食糧・水や生活物資の不足。家屋被害による居住場所不足、トイレ不足。 物資不足による価格高騰、ヤミ市の出現。 医療サービス、公共サービス、行政サービスなどの低下、機能停止。 経済的損失。 農地への被害。商品や工場への被害。寡占商品が被害を受けた場合の経済全体への影響。 文化的被害。 文化財や天然記念物、景観などへの被害。文献や史料の損傷、紛失。 人的被害。 怪我および生命への危険。ノイローゼやPTSDなどの心理的被害。 水やごみによる衛生環境の悪化、感染症の流行。 犯罪の増加・災害時犯罪 スーパーマーケットやデパートなどの店舗で食料品や生活物資などが窃盗・略奪される。支援物資の奪い合い、暴動などが発生し、治安が悪化(多くの国では近年も震災後の暴動・略奪などがしばしば発生しているが、日本では関東大震災以来、90年近くにわたって自然災害後の極度の治安悪化は起こっていない)。 震災を利用した詐欺、混乱に乗じた被災家屋や金融機関からの窃盗などの犯罪。 刑務所や拘置所が崩壊すると、受刑者(収容者)が脱走し、治安の悪化が進行(ハイチ地震やチリ地震など)。 長期的に見て、地震による被害は縮小する傾向にある。これは、建造物の耐震化や地震に強い社会基盤の形成、さらに地震に関する知識や防災意識の浸透によるものが大きい。日本でも地震の被害は1948年に発生した福井地震の頃まで、人口の増加と産業の発展に比例して増加した部分もあったが、その後は住宅の耐震性・耐火性の向上とともに揺れに起因する被害は減少してきている。世界的にも、地震被害の多い地域では耐震化や防災体制の構築により被害が減少している地域もあるが、途上国を中心にいまだに有効な対策がとられていない地域も多く存在する。 地震は自然現象であり、現在の技術では押しとどめることはできないが、事前に備えておけば被害を大幅に小さくすることは可能であり、地震による災害を人災とする考え方もある。この「努力と事前対策により、想定される被害を可能な限り減らす」、すなわち「減災」の考え方を広めようという運動が2008年頃から行なわれている。 「減災」も参照 編集 救助と救援・復興 大規模な地震が発生したとき、基本的には自分たちの出来る範囲で救助・救援を行うことが必要とされる。公設消防も救助・救援を行うが、その能力は交通の混乱や人手不足により限られるため、国内や国外より救援が来る場合もある。また、地域の消防団やコミュニティも大きな担い手となる。医療に関しても、医療機関の能力を超える患者が一気に押し寄せるので、いわゆる災害医療体制となり、場合によってはトリアージ等の処置が行われる。 救助以外の行政の役割として、避難所や仮設住宅の確保、物資の提供や仕分け、情報の提供などが挙げられる。また、復興に際しては住宅再建の補助金提供などの役割を担う。 20世紀末以降は、ボランティアによる救助・救援も増えてきている。救助活動や安否確認、医療のほか、避難生活の支援、復旧活動などに、物資や金銭を送ったり、実際に出向いたりといった形で支援が行われる。また、建物の中に人が閉じ込められることが多い地震被災地において、災害救助犬も多く活動している。一方、新潟県中越沖地震の例のように、ボランティアの超過や不足による混乱等も生じており、ボランティア環境は不十分なところもある。 編集 地震発生後の対策 被害の拡大を防ぐために、地震や津波の情報を迅速に伝達することも重要とされる。日本では、気象庁が発生後数分以内での速報を行い、NHKと民間放送事業者がテレビ・ラジオで国民に広く伝えている。観測された震度の大きさによって報道体制を変えており、受け取る側でも、警察・消防・内閣などの公的機関が震度の大きさによって対応を決める。 また、NHKなどでは津波警報発表時や東海地震警戒宣言発表時に緊急警報放送を行っている。同報系市町村防災行政無線により、屋外スピーカーで津波情報や地震に対する警戒を広域に呼びかける手法、感震計により強い揺れを観測した際に警告を発する手法もある。個人では、P2P地震情報や緊急地震速報受信機などの速報システムもある。 地震の揺れが到達する前の対策(地震警報システム)として、日本では鉄道でのユレダス、テレビ・専用受信機などでの緊急地震速報が運用されている。これと似たシステムが、アメリカ・カリフォルニア州南部やメキシコ・メキシコシティ周辺部で運用されている。 電話など通信の混雑への対策として災害用伝言ダイヤルの設置などが行われている。携帯電話・PHSにおいても災害用伝言板サービス等の同様のウェブ上サービスがある。また、自治体や民間が協力して臨時災害放送局を設置し、被災者への情報提供が行われた例もある。 編集 地震発生前の対策 「土木工学」および「Category:建築構造」も参照 地震被害を防ぐ最も重要な対策の1つが、建造物の耐震性を高めることである。日本では建築基準法により耐震基準が定められており、新築建造物はこれを満たして建設しなければならない。ただ、既存の建物は建てた時に適法でも後の法改正により既存不適格となったものがあり、これは一部を除いて耐震補強を行うのは任意である。 また、原子力発電所など揺れによる災害の危険性が高い建造物については、建設の前の環境アセスメントの段階で、地盤の強度や周囲の断層の位置・活動度などを調査し、なるべくリスクの低い場所に立地するような対策が取られている。これについては、調査が十分に行われない可能性、未知の断層や新たな断層が発生する可能性もあることが問題となっている。 企業では、リスクマネジメントや事業継続マネジメント(BCM)などを通じた業務継続のための対策や経済的影響への対策も必要となる。保険業界や企業を中心に、被害リスクを予め算定する地震PMLという手法も普及している。 市民が行う対策としては、防災訓練や防災用品(非常食や非常袋など)の準備などが代表的なものとして挙げられる。また、過去の災害の例を学んだり体験談を聴いたりすることも有用であるとされ、教育や地域において講演会として行われたり、書籍となったり、インターネット上で公開されたりしている。地震への防災や備えの目安として、避難場所や経路を記した防災地図、地盤の揺れやすさや地震動に見舞われる確率の地図なども自治体により作成されており、活用が可能である。地震被害からの復旧のために地震保険も用意されている。 編集 過去に発生した地震 この節は現在進行中の事象を扱っています。記事の内容は最新の情報を反映していない可能性があります。 1906年サンフランシスコ地震後の町の様子。建物が崩れ、煙が上がっている。 スマトラ島沖地震による津波に襲われたスマトラ島の町の様子。水や流木が町のほとんどを覆っている。 過去に発生した世界中の地震の詳細なリスト、規模や被害による順位については「地震の年表」を参照 有史以来、世界各地で無数の地震が発生している。その中で、多くの被害を出した地震も多数発生している。日本では、1960年以降に気象庁が正式に命名した地震が、現在約30個あるほか、それ以前にも多数の被害地震が発生している。また世界では、1980年から1999年までの20年間で、1年当たり平均約7,400人(うち日本は280人)が地震により亡くなっている[4]。 日本で地震、震災として多く取り上げられる地震として、1923年の関東地震(関東大震災)がある。この地震では、日本の歴史上最多となる10万人以上の死者を出し、首都東京を含む広い範囲に被害を与え、火災の被害も大きかった。1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)は都市部を襲った地震の典型例であり、その後の建築基準法の見直しや防災意識の変化などに大きな影響を与えた。2004年の新潟県中越地震では震災後の避難生活に関する問題が大きく取り上げられるようになった。また世界的には、津波により多くの死者を出した2004年のスマトラ島沖地震などがある。 人類史上、死者が最も多かった地震は、1556年1月23日に中国 陝西省で発生した華県地震で、約83万人が死亡した。これは2番目に多い唐山地震の公式統計による死者数の3倍以上である。また、人類史上、最も規模が大きかった地震は、1960年5月22日にチリ西岸で発生したチリ地震で、マグニチュードはモーメントマグニチュード(Mw)で9.5だった。 編集 地震予知 詳細は「地震予知」を参照 地震の発生を事前に予知することで、被害を軽減する試みも、古くから行われてきた。従来の地震学の知識をもとにした、数十年~数百年単位での長期的な発生予測は公式に大掛かりなものが行われている。一方、数ヶ月~数時間単位で正確に予知することは、従来の知識からでは難しく、一般的にも困難とされている。 地震の予知と言っても、さまざまな範囲や形式があり、大きく長期予測と短期予測に分けられる。存在が判明している断層やプレートの沈み込み帯等においては、地質調査と文献の被害資料等から長期的な発生確率やその規模などを予測する手法が確立されている。期間が長いため精度の保証はできないが、ある程度の精度はあると考えられている。ただ、これを実際の地震対策に結び付けられる点はあまり多くない。 一方、短期予測に関しては、多種多様な手法が試みられている。有名なものでは、ギリシャのVAN法、前震の検知(中国の海城地震で成功した)などがあるが、常に利用できる手法ではない。また、東海地震発生直前に発生すると予想されているプレスリップ(前兆すべり)を検出する方法もある。一方で、現時点では科学的根拠に乏しい宏観異常現象による地震予知も試みられている。 また、仮に地震予知の手法が確立された場合、それを誰がどのように行い、いつどのように発表するかということも、現状では東海地震における地震防災対策強化地域など限られた地震・地域においてしか定まっておらず、混乱が発生する事態も考えられる。 編集 地球以外での「地震」 地球以外の天体においても、地球の地震に相当する、地殻の振動現象が発見されている。 月で発生する地震は月震と呼ばれ、1969年から1977年までの通算8年余りの間観測が行われた。 編集 その他 132年に、後漢の張衡が地震計の一種である「候風地動儀」を発明したとされる。口に玉をくわえた八匹の竜が八方向を向いており、中国のどこかで地震が起きると、その方向の竜が玉を落とす仕掛けになっていたという。 地震に関する日本最古の記録として、416年(允恭5年)と599年(推古7年)に発生した地震のことが日本書紀に記されている。 菅原道真は870年(貞観12年)に方略試という当時最高峰の国家試験を受けたが、そのうちの一問が「地震ヲ弁ズ」(「地震について述べよ」の意か)というものであった。道真の答案は『菅家文草』によって読める。 江戸時代後期に佐久間象山が日本で初となる地震を予知をする機器「地震予知器」を開発した。安政江戸地震を機に、大地震の予兆について人々から聞いた話を元に作られた道具で、磁石の先端に火薬が付けられ、その火薬が落ちると大地震が来ると言われている。科学的根拠は皆無とされている。 編集 脚注 ヘルプ ^ 活断層の統一された定義はない。古典的には、(旧来区分における)第四紀開始以降に活動したと推定される断層を活断層という。なお、2009年より第四紀の区分が変更されたので、現在の区分では「更新世中期の開始以降」にあたる。断層の活動性を考える上では、より重要度の高い「約10万年前にあたる更新世後期の開始以降」に限定する場合がある。「地球史Q&A」 日本地質学会。 ^ 地震の基礎知識とその観測 6.2 活断層 防災科学技術研究所 ^ 『なゐふる第3号』p.4「関東大地震(大正12年9月1日)」日本地震学会 ^ 群発地震発生のメカニズムを解明 産業技術総合研究所、2002年9月5日 ^ コラム1 地震発生のメカニズムと活断層 原子力安全委員会、新耐震指針の概要について ^ 過去の地震・津波被害 気象庁 ^ 例外として、火山の火道が圧縮されたり、爆発・爆縮によって発生する地震はこの限りでない。 ^ 上田誠也「地震予知研究の歴史と現状」|学士会会報 2007-IV No.865 ^ a b 島村英紀「人間が起こした地震」 ^ 地震続発で地熱発電計画にストップ バーゼル ^ 「鉱山地震活動、ガス爆発およびこれらと震源物理研究との関係の重要性」 ^ NEWS SCAN 2009年1月号:日経サイエンス「氷河の健康状態を診断する新手法」 ^ 「フィリピン海プレートの水分が阪神淡路大震災を誘発か?」1999年3月9日付神戸新聞 ^ 中越沖地震、直下のマグマが原因か 2007年8月7日付読売新聞 ^ 岩手・宮城地震、水が断層滑らす?…東北大分析2009年10月24日付読売新聞 ^ 岩手・宮城内陸地震 断層に入った水原因か2010年1月17日付読売新聞 ^ 立命館大学「水没した1km深鉱山で地下水変化に誘発された地震」 ^ Earth Tides Can Trigger Shallow Thrust Fault Earthquakes ^ 地震と潮汐力の関係 ^ 地震、月や太陽の引力が「最後の一押し」科学 YOMIURI ONLINE(読売新聞) ^ [1]閲覧には登録が必要 ^ 阪神大震災の折でも神戸から50km離れた東大阪市や加古川市では、地震の被害は僅かであった。また、100km離れた岡山市では被害が出ていない。 ^ たとえばM8級の東海地震や南海地震は100年~150年周期で発生するとされるが、500年以上の長い周期でM8.5~9の連動型超巨大地震の発生も指摘されている(The Assumed Aseismic Subduction and the Necessity of Ocean-Bottom Crustal Deformation Measurements at the Ryukyus, Japan M Nakamura, M Ando, T Matsumoto, M Furukawa, K Tadokoro, M Furumoto, AGU, 2006)。チリ地震やスマトラ島沖地震はこうしたタイプの地震であったと認識されている。 編集 関連項目 ウィキペディアの姉妹プロジェクトで 地震 に関する情報が検索できます。 ウィクショナリーで辞書項目 ウィキブックスで教科書や解説書 ウィキクォートで引用句集 ウィキソースで原文 コモンズでマルチメディア ウィキニュースでニュース ウィキバーシティで学習支援 海震 月震 - 日震 核実験 - 核実験により、人工地震が発生する E-ディフェンス - 世界最大の震動破壊実験施設 構造計算書偽造問題 地震の年表 防災の日 防災訓練 避難訓練 予知 宏観異常現象 JAMSTEC 活断層 耐震 - 免震 自然災害 日本地震学会 日本自然災害学会 外側地震帯 地震酔い 編集 参考文献 国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7。 - 過去の地震のデータ 震災予防調査会編 『大日本地震史料』 丸善、1904年。 - 日本における幕末までの地震史料の集大成。416年から1865年までの約2,000の地震を集めている。後に『付録大日本地震資料目録』も刊行された。 宇佐美龍夫 『新編日本被害地震総覧 : 416-1995』 東京大学出版会、1996年、増補改訂版。ISBN 4-13-060712-X。 震災予防協会-理事長 那須信司編 『大地震の前兆に関する資料-今村明恒博士遺稿-』 古今書院、1977年。 - 地震周期説を唱え、関東大震災と昭和21年南海大地震を明確に予言した今村明恒東京帝国大学地震学教室教授の遺稿。東海地震などの連動についても明確に論考している古典。地震と火山の関係についても論考している。 S C Bhatia, M Ravi Kumar and H K Gupta. “A Probabilistic Seismic Hazard Map of India and Adjoining Regions”. Global Seismic Hazard Assessment Program. 2006年8月14日閲覧。 鈴木善次. “第20回 地震とは何か”. 科学の歩みところどころ. 新興出版社啓林館. 2008年5月2日閲覧。 編集 外部リンク 日本語 気象庁 気象庁 防災気象情報 地震情報 - 地震速報+震源・震度に関する情報+各地の地震情報 気象庁 気象統計情報 地震・津波 - 地震・津波に関する最新情報および資料等 気象庁 気象等の知識 地震・津波 - 地震や津波に関するメカニズム・観測・情報+過去の地震災害+東海地震などの解説 地震前兆現象のデータベース 地震火山研究部 中央防災会議 - 内閣総理大臣や閣僚、指定公共機関の代表者、学識経験者らで構成 地震調査研究推進本部 - 文部科学省の特別の機関 地震予知連絡会 - 省庁の代表者や学識経験者で構成 独立行政法人 防災科学技術研究所 Hi-net(高感度地震観測網)(携帯版) 独立行政法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター 活断層データベース - 日本の主な活断層の平均変位速度などのパラメータ+それらの算出根拠の調査データ 日本地震学会 東京大学地震研究所 東京大学地震研究所 地震予知情報センター webSEIS - 最近の地震情報やこれまでの地震活動の検索をすることができる 地震予知総合研究振興会 直近7日間の「地震情報」 提供ウェザーニュース 世界の被害地震の表(古代から2006まで)のデータベース、独立行政法人建築研究所 大気イオン地震予測研究会e-PISCO 全国の地震活動・M-T図 - 日本全国のM-T図(過去90日分)と震源分布図(同30日分)を閲覧できる 災害時に役立つ情報をみんなで集めるウィキ みんなの力で被災地へ有用な情報を届ける。 内閣府防災情報 「地盤のゆれやすさ全国マップ」 - PDF 「わが国の災害対策」 - PDF 特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会 - 緊急地震速報に関する研究調査や普及活動 ニューステロップと同じ速さ‐緊急地震速報情報と地震情報を提供している。 英語 アメリカ地質調査所 (USGS) 地震 USGS Latest Earthquakes in the World - 過去7日間の世界の地震 Latest Earthquakes M5.0+ in the World - M5.0以上の地震 USGS Historical Worldwide Earthquakes - 世界の過去の主要な地震の表 Sorted by Magnitude, Magnitude 6.0 and Greater - M6.0以上の地震 地震学研究機関連合 (IRIS) IRIS seismic monitor - 過去2週間の世界の地震 ヨーロッパ地中海地震センター (EMSC) 太平洋津波監視センター (PTWC) 国際地震学・地球内部物理学協会 (IASPEI) 国際地震工学センター (IISEE) 表・話・編・歴 地震 要素 パラメータ:震源/震源域 - 発震機構 規模:マグニチュード - 震度階級(気象庁震度階級 - MM - MSK - EMS98 - 烈度) 種類 前震/本震/余震 - 群発地震 - 内陸地殻内 - プレート間 - 海洋プレート内(深発地震) - 火山性地震 - 氷震 - 人工地震 非地震性すべり:定常すべり - スロースリップ - クリープ断層 メカニズム 断層地震説 - 弾性反発説 - 岩漿貫入説 活構造(断層 - 褶曲) - プレートテクトニクス - アスペリティ - 応力 - ひずみ - 地震動(初期微動 - 主要動) - 地震波 - 異常震域 観測 地震動:地震計 変位:測地測量 - 傾斜計 - 歪計 - SAR - GPS - VLBI 被害と対策 被害:震災 - 土砂災害 - 液状化 - 海震 - 津波 - 過去の地震年表 対策:地震工学 - 耐震/制震/免震 - 耐震基準 - 耐震診断 - 感震計 - 早期警戒システム(ユレダス - 緊急地震速報 - SAS) - 日本の地震対策 地震予知 固有地震 - 地震空白域 - 地震前駆現象(宏観異常現象 - 地震雲) 地震学 地震発生物理学 - 強震動地震学 - 地球内部物理学 関係機関:気象庁(松代地震センター - 精密地震観測室) - 防災科研 - 東大地震研 - USGS - EMSC - CSA - ISC - ITIC - IRIS - IASPEI 地球以外の地震 月震 - 日震 - その他 関連カテゴリ:地震 - 地震学 - 地震学者 - 断層 - 津波 - 震度階級 - 地震の歴史 表・話・編・歴 プレートテクトニクス 理論 大陸移動説 - アイソスタシー - マントル対流説 - 海洋底拡大説 - プルームテクトニクス 地球の内部構造 地殻 - マントル(上部マントル・下部マントル) - コア(外核・内核) // リソスフェア(プレート) - アセノスフェア - メソスフェア プレート境界 発散型 : 海嶺 // 収束型 : 沈み込み帯(海溝 - トラフ) // トランスフォーム型 : トランスフォーム断層 地殻変動 地震 - すべり - 褶曲 - 断層 - 地溝 - 地塁 - 断裂帯 - 構造線 - 付加体 - 造山運動 - マグマ - 火山 - 噴火 - ホットスポット   プレート ユーラシア アムール - 揚子江 - 沖縄 - スンダ - ビルマ - モルッカ海 - バンダ海 - ティモール - アナトリア - エーゲ海 フィリピン海 マリアナ 太平洋 カロライナ - 北ビスマルク - 南ビスマルク - マヌス - フツナ - バルモーラル暗礁 - コンウェイ暗礁 - ニューヘブリデス 北アメリカ オホーツク - ベーリング カリブ パナマ ココス ファンデフカ - リベラ 南アメリカ スコシア - サンドウィッチ - シェトランド - アルティプラーノ - 北アンデス ナスカ ガラパゴス - イースター - ファン・フェルナンデス 南極 - アフリカ ソマリア アラビア - インド・オーストラリア インド - オーストラリア - ケルマデック - トンガ - ニウアフォ - バーズヘッド - モルッカ海 - ウッドラーク - ソロモン海   トピックス 超大陸 ヌーナ - ローレンシア - コロンビア - パノティア - ロディニア - パンゲア - ゴンドワナ - ローラシア - ユーラメリカ - アフロ・ユーラシア - アメリカ - アメイジア - パンゲア・ウルティマ 古海洋 パンサラッサ - テチス海 - イアペトゥス海 古期地殻変動 カレドニア造山帯 - ヘルシニア造山帯 - ウラル造山帯 - 中央アジア造山帯 - タスマン造山帯 - アパラチア造山帯 - インド大陸 - 洪水玄武岩 主要なプレート境界 発散型 : 大西洋中央海嶺 - 南東インド洋海嶺 - インド洋中央海嶺 - 南西インド洋海嶺 - 太平洋南極海嶺 - 東太平洋海嶺 - 大地溝帯…その他 // 収束型 : ペルー・チリ海溝 - 中央アメリカ海溝 - カスケード沈み込み帯 - アリューシャン海溝 - 千島・カムチャッカ海溝 - 日本海溝 - 伊豆・小笠原海溝 - マリアナ海溝 - 琉球海溝 - フィリピン海溝 - トンガ海溝 - ケルマデック海溝 - ジャワ海溝 - プエルトリコ海溝…その他 // 環太平洋造山帯 - アルプス・ヒマラヤ造山帯



http://www.secretchina.com/news/271619.html

地震 - 维基百科,自由的百科全书

大陆:里氏地震规模;台灣:芮氏地震規模;香港:黎克特制地震級; 当前用字模式下显示为里氏地震规模. 大陆:里克特;台灣:芮克特;香港:黎克特; 当前用字模式下显示为里克特. 大陆:里氏规模;台灣:芮氏規模;香港:黎克特制震級; 当前用字模式下显示为里氏规模. 大陆:里氏;台灣:芮氏;香港:黎克特制; 当前用字模式下显示为里氏 ...




http://parent.3xy.com.cn/textcase-1752.html

地震之窗

3月6日地震|【5月6日实话实说】完善油价监督机制,不能 隶属栏目:玉树地震 文章评论:0个 阅读点击:0次 文章好评:0次 ... 云南地震信息网|云南盈江40天连发地震逾千次专家称属正 隶属栏目:玉树地震 文章评论:0个 阅读点击:0次 文章好评:0次. 中新社昆明2月11日电1月1日至2月10日,云南省盈江县先后发生5级以下地动超过1000次, ...




http://www.toukai-ama.info/r/%C3%CF%BF%CC

Christchurch Quake Map

Time-lapse visualisation of the February 22, 2011 earthquake and aftershocks in Christchurch and Canterbury, New Zealand. The September 4, 2010 earthquake ...



In Han Wang town Sichuan nearly all buildings have been destroyed or damaged
http://www.flickr.com/photos/oxfamhongkong/3529629349/

地震最新消息_环球网

环球网地震最新消息专题报道,为您提供最新的地震信息滚动播报,让您快速了解地震对中国的影响和危害,看环球网地震最新消息掌地震最新动向。



1 080806b 0897 990921
http://www.flickr.com/photos/h35312/3889792556/

四川汶川发生8级地震-新闻频道-和讯网

四川汶川发生8级地震 ... 14:26 6月18日13时23分 青海治多县发生5.4级地震. 13:37 17日23时阿坝州避险转移安置受灾群众97753人. 13:28 铁道部要求各单位加强抗震救灾资金物资监管. 13:01 陕西宁强发生4.5级余震 造成2人死亡1人受伤. 11:59 汶川地震重创四川林业 森林覆盖率下降0.5 ...




http://www.0155.jp/yahoo/%E5%9C%B0%E9%9C%87.html

【日本地震】_网易新闻

当地时间11日下午2点46分左右,日本东北宫城县北部地区发生里氏9.0级特大地震... CNN连线报道日本7.4级地震. 央视记者讲述日本7.4级地震发生时感受. 美国专家称日本受损反应堆隐患无穷 可能爆炸. 日本7.4级地震造成人员物资损失介绍. 日本7.4级地震:视频记录办公室地震一刻. 央视记者介绍日本余震后最新情况. 第八名中国公民在日本海啸中遇难 ...




http://www.flickr.com/photos/24416717@N00/1412779731/

青海玉树地震_青海地震新闻报道_网易新闻

2010年4月14日07时49分许,青海省玉树藏族自治州玉树县发生7.1级地震,震源深度33千米。青海玉树地震造成上万人死伤。网易第一时间制作青海玉树地震专题,提供最新最详尽的青海地震最新消息、青海地震伤亡情况、青海地震赈灾募捐、青海地震场图片、青海地震视频报道。




http://www.0155.jp/yahoo/%E5%9C%B0%E9%9C%87.html

地震教育网——中国最专业的地震教育网站

· 房屋地震逃生-农村未经过.. · 5月10日洛亚蒂群岛地区7... · 中、俄交界6.1级地震 · 5月14日6时47分哥斯达黎加.. · 4月30日台湾宜兰县5.0级地. ... [图] 评 4/27 [平安星之书] 平安星电子书——日本地震.. 评 4/9 [平安星贺卡] 日本9.0级地震卡片 [图] 评 4/1 ...



Most buildings in Dujiangyan have been destroyed
http://www.flickr.com/photos/oxfamhongkong/3529622891/

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